NEWS

お知らせ

インターン体験インタビュー vol.10

弊社では大学生向けに有給インターンを行っています。

本稿では、参加していただいた皆さんに、インターンを体験した感想をインタビュー形式で伺いました。インタビュワーである篠田が語りすぎてしまっていますが…今後、弊社でインターンを検討されている学生さんや、インターンプログラムの導入を検討されている建築設計事務所様の参考になれば幸いです。

インタビュイー

江口君(E)

大阪府堺市
好きな建築:おかやま信用金庫 内山下支店/安藤忠雄設計事務所
私がこの建築物を見に行った時、銀行ということもあって受付で中を見学させてもらえないかを聞いたのですが、快く了承してくださり更には案内の方までつけて内部を案内してもらったのを今でもよく覚えています。箱形部分にある壁面緑化とガラスによる大きな楕円形の塔が印象的な外観であり、打ちっぱなしコンクリートや壁面緑化が行われた安藤忠雄建築らしさが出ている建築物だと思います。建物のすばらしさは維持の面にもあります。壁面緑化はよく手入れがされており建物は綺麗につたをまとわっていました。建てただけでなくそこからメンテナンスがきちんと行われていることで建物がより良いものになっていると思いましたし、実際壁面緑化や屋上テラスかららせん状につながる手入れの行き届いた植栽は、街並みを豊かにしていました。

江口君よろしくお願いいたします。(篠田:S)

よろしくお願いします(E)

参加動機

江口君は10月の終わりから2月末の約4か月間県設計に来てくれたけど、参加を希望してくれたきっかけを教えてください(S)

大学の授業では建築の専門分野の授業が週に2コマしかないうえ、建築について学ぶため大学に入ったはずなのに実際に入ってみたら何をすればいいか分からず右往左往することになったときにインターンの話が入り込んで来ました。何か具体的に何かを学ぼうとする目的があったのではなくがむしゃらだったと今振り返ってみたらそう思います。(E)

信大の課題は(タコ足キャンパス特有の課題でもありますが)、1年生の時に建築に触れる機会がとても少なく、上級生や先生方に教えを乞えるような接点を持ちにくいことだと思います。山から出ないと刺激が少ないといいますか、、そのおかげで主体性が育まれ、長野にある事物の豊かさに気付けるほどに自分のアンテナが研ぎ澄ませたり、邪魔(刺激)なく関心ごとの探求ができたりするのですが、、。出会った頃の江口君はすごく積極的に、ハングリーに様々なことについて質問してくれていたことが印象的でしたし、既に建築に対する仮説や考え方を持っていることに感心していました。(S)

活動内容

県設計では有給インターンにこだわっており、大学1年生にも携わっていただける業務の範囲で実際に設計業務の一端を担っていただいております。学術的な建築を学ぶとも、実際の設計事務所の業務とも、若干属性の異なる内容でしたが、どんな業務に携わりましたか?(S)

実務のお手伝いをしました。AutoCAD、Twinmotion、Illustratorなどソフトをつかって図面の書き出しやモデリングの立ち上げ、人物添景の作成などを行いました。(E)

今年はソフトは事前に弊社で用意した学習マニュアルをもとにソフトの習得を行っていただきました。とはいえ大学で扱うソフトなので自習の時間も必要になります。習熟度合に応じて、既存図起こしやパース作成に向けたモデルや添景の製作を行っていただき、大変助かりました。機会があると触れるソフトではありますが、日ごろから触ってないと差が開くものでもあるので、友人と和気あいあいとソフトの研鑽は進めてもらえたらと思います!(S)

業務を通じて得られたこと

続いて、江口君が業務を通じて得られたことを振り返りもかねて教えてください(S)

AutoCAD、Rhinoceros、Illustratorなどソフトの操作方法はもちろん建築に対する考え方や実際にどのような素材を使うかなどの実務で使うような具体的な知識も得れました。でも一番は建築に対する熱い思いを持っている友達です。(E)

友達は大事ですよね。幼稚園の頃から何かと言われ続けることですが、、。情熱を共にできることはなかなかに稀だと思います。意匠系に限らず、環境・構造・歴史・施工をはじめとする多様な携わり方をしている建築業界の方や異分野の方など、幅広い視野を持ちながら多様なジャンルの友人を増やしていってください。社会人になると利害関係ベースで、ハビトゥス(界)を超えた出会いを設けにくくなります。普通に生きてたら出会わない人とどれだけ学生のうちに友達になれるかは、今後の建築人生の豊かさにつながりますし、江口君のアイデンティティの粒度も鮮明になってくると思います。(S)

印象に残ったこと

デスクワークが中心だったと思うのだけど、江口君の印象に残ったことを教えてください(S)

設計の話やソフトを使った業務なども記憶に残っていますが、いわゆる作業のような業務もよく記憶に残っています。建築では完成されるまでに何個も没になる案があったり、一般的に地味といわれるような作業の上に建築物が出来上がっていると実感しました。(E)

そうですね。地味な作業続きですよ。僕も学生時代インターンでいくつかの事務所で勉強させていただきましたが、皆さん口をそろえて「楽しいことは1割であと9割は地味な作業だ。」と言われました(笑)。学生時代もそうでしたが、実務になるとより単調なプロセスではなく、彫琢的で偶発的なものごとが多くなります。調停する変数も多くなるので、限られた納期の中で、それを実現するのは、(それがなにより重要な仕事でもあるのですが、)すごく地味で、結果からみれば無駄だった作業の連続です。ですが、おっしゃる通り、地味な作業をどれだけこなすか、楽しく過ごすか、投げ出さずに遂行できるか、考え葛藤することがクリエイティブの本質でもあると思っています。(S)

後輩に一言

来年度はお休みしますが、今後も松本で学生向けインターンを行おうと思っています。来年度以降、インターン参加を検討してくださる後輩に向けて一言おねがいします!(S)

何に価値を感じるかは人によって違うと思います。価値あるものにするかどうかも人次第だと思います。インターンでは大学では得れないような体験ができることは確かです。果敢にチャレンジしてみてください。あ、あとドリンクバーのコンポタは絶品です。(E)

そうですね。価値といっても様々で、お金を稼げてスキルを習得するなどの実用的な価値、人に話したくなるような楽しさ・嬉しさなどの感情的な価値、あとは、インターンを経験したという実績、ステータスなどの社会的な価値、先ほど話してくださった友人ができることや将来についての相談やアドバイスがもらえるといった副次的な価値、、、様々ですが、明確な意思をもって望んでもらえると期待した価値を提供してもらいやすくなると思います。自分が享受したい、または提供したい価値は何なのか。考えてみてから来てもらえるとこちらとしてもプログラムを検討しやすいです。(S)

インターンプログラムの改善点

さて、本人を目の前にして、言いづらいことかなと思うのですが、、良い面だけ社外に発信するのもむずがゆいので、率直に弊社のインターンでもっとこうあればいいのになあと思うことなど、課題や改善点があれば教えていただけますか(S)

特にありませんでした。もっと社員の方々のお話がきければよかったです。素晴らしい機会をありがとうございました!(E)

ありがとうございます!夜間に行っている関係で、接点を持ちにくいことが課題になっています。なんとか良い案を考えたいですが、どういったコミュニケーションを行いたいのか、先輩方と学生がWin-Winになる絵が浮かべばまた実現したいと思います。修士1年生の際など、より成長してもらえたら通常業務時間内に参加してもらえるので、また来てください!(S)

今後の展望

短い期間ではありましたが、とても濃厚な時間を過ごせたと思っています。本当にお疲れ様でした。今後も機会があれば弊社の業務で携わっていただくこともあるかと思いますが、弊社のインターン経験を経て、江口君が抱いた今後の展望を聞かせていただけますか(S)

時間は限られていると痛感させられた1年でした。気づくともう1年が終わってました。やりたいこと全部できたかって聞かれたらできませんでした。これからもそうだろうなと思います。自分が何をしたいのか、なにが自分のためになるのか自問自答しよく考えて生きていこうと思います。(E)

なかなか難しいですよね。建築も人生も様々なパラメータをうまくバランスをとって、社会と自分の関係性を鑑みながらデザインしていく必要があります。時に苦渋の選択で何かを諦めなきゃゃいけないことがありますが、一番もったいないと思うのは、どちらに転んでも進めば実現できたのに、迷っていったり来たりしたり、諦め動かなかったせいで、なにも実現できないことです。考えることも大事なので、思考の系譜はなるべく残しながら、時に覚悟をもって芯を育むように、建築人生を楽しんでください。また話しましょう!ありがとうございました!(S)

こちらこそありがとうございました!(E)

CONTACT

お問い合わせ

ご依頼・ご相談・ご質問等はこちらからご連絡ください。