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能鑑賞にいってきました

こんにちは。所員の藤澤です。ここ数年恒例になっているもので、今年も伊那能に行ってきました。

今年で第33回目の開催であり、個人では5回目。会社のメンバー3人で行ってきました。

11月中旬に毎年開催されていて、演目は能、狂言、仕舞となっています。その本編の前に演目の詳細や背景を知るための鑑賞講座があります。これを見てから本編を鑑賞するという流れになります。この鑑賞講座が重要でして、しっかり聞いていないと本編では物語がなかなか掴みづらいのです。能は600年ほど前のある親子が確立したものといわれているだけあって物語を文字だけで見てもニュアンスでギリギリ読みとれるか?それを今度は見て鑑賞となると、なにがなんだかついていけない・・。となってしまいます。(笑)

その物語の概要を簡単に説明してくれるのも鑑賞講座なのです。これは他の能イベントではないことが多いらしく鑑賞講座があるという伊那能のいいところの1つなのだと思います。ちなみに会場は伊那文化会館の大ホールで開催。席はほぼ満席となり、ホール外のホワイエでは抹茶サービスと装束や面の展示が設けられていて楽しみが多いのもうれしいところです。

とはいえ、そんなにわかりづらい物の何が良くて恒例になるまで行くの?ということになります。今回はそんな能の魅力についての話が聞けましたので、この機会に話したいと思います。(演目の内容については触れないです)

能には何かすごみを感じると言ってきました。総括するとそんな感じで、本当にそう感じるんですが。言葉にすると何だかつまらない感じになってしまいます。見て感じたこととの差が激しいです。(笑)細かいところで見ていけば感動ポイントは上げられるのですがそれを言うのはまた気恥ずかしいと思ってしまいます。(笑)

そんななか鑑賞講座で重要無形文化財保持者の弟子にあたる方が、能の魅力についてその亡き師からの話をしてくれました。2つありますと。

1つめは、美しさ。所作の美しさ、装束や面の美しさ、当時の日本の言葉の美しさがある

2つめは、一期一会の芸術。日々鍛えた所作や楽器の音、声の音を舞台上で合わせること、その一期一会が芸術となる

1つ目についてはわかりやすいと思います。建築で言えば歴史的な日本家屋などに惹かれることが多々ありますが、その当時の使われ方を不自由なく造形としてまとめ上げたものに美しさがあることと似ているような気がします。

2つ目は、3人して驚きましたが、セッションのような側面があるということです。能の舞台上には役割があり、シテ(主役で面をつけている役)とワキ(進行役)地謡が8人、楽器が笛、小鼓、大鼓で成り立ちます。役割が増えることはありますが最低でも13人くらいとなります。一人ひとりに役割がしっかりとある中、13人で物語を表現する芸術ということです。注意深く鑑賞したら、今までと違う緊張感が追加されて舞台上でのやり取りがとても高度なことが想像できて、さらにすごみが増したのを感じました。(すごみとは使いやすい言葉です(笑))

そんな2つの能の魅力を学んだ話でした。このことを忘れずにこれからも鑑賞したいなと思います。

今回の話はこれにて終わりになりますが、簡単に狂言と仕舞について、狂言は人間の愚かさや醜さを面白おかしくした物語で会場に笑いが起こります。能と比べると時間が短くて楽しみやすくできています。また仕舞については能の物語の一部を面や装束をつけずに披露するというものです。能含め演目の内容については触れなかったので興味ある方はぜひ見に行ってみてください。

最後に、機会があれば屋外開催の能も鑑賞してみたいと思います。また違った発見や、違った空気感を感じることができるのかなと思っています。

以上、見てくださりありがとうございました。  (メンバー:大槻・篠田・藤澤)

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