「伊那谷できれいをつくる、きれいな工場」をテーマに、技術も、人も、空間も、すこやかに澄み渡る場所を目指したご提案を行いました。

本計画では、周囲の豊かな自然環境と調和しながら、地域に根ざしたものづくりを支える空間づくりに取り組みました。
清潔性や作業効率を高める合理的な工場レイアウト、働く方々が自然を感じながら過ごせる快適な環境、そして企業の姿勢が建物そのものに表れるような設計を心がけました。

以下の3つのテーマを軸に提案を構成しています：

1. 生産の場としての合理性
   　動線やゾーニングを明快に整理し、清掃性やメンテナンス性にも配慮した計画。
2. 伊那谷の自然を感じられる職場であること
   　周辺の山並みや光・風を室内に取り込み、地域に開かれた職場環境を創出。
3. 環境への配慮を建築そのもので表現すること
   　素材の選定や開口部の設え、断熱・通風などの基本性能により、企業の思想を空間に映し出すことを目指しました。

工場と事務所のあいだにはライトコート（中庭）を設け、自然光があふれる、開放感のある快適な職場環境を計画しました。この光庭は、室内の明るさを確保しながら照明負荷を抑えることで、省エネにも寄与します。また、工場の天井高さを活かして事務所を2階に配置することで、建築面積を抑え、敷地全体を有効に活用。将来的な施設の拡張にも柔軟に対応できる構成としました。

本提案は採用には至りませんでしたが、「きれい」をテーマにした空間づくりへのひとつのアプローチとして、私たちにとっても学びの多い経験となりました。