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インターン体験インタビュー vol.9

弊社では大学生向けに有給インターンを行っています。

本稿では、参加していただいた皆さんに、インターンを体験した感想をインタビュー形式で伺いました。インタビュワーである篠田が語りすぎてしまっていますが…今後、弊社でインターンを検討されている学生さんや、インターンプログラムの導入を検討されている建築設計事務所様の参考になれば幸いです。

インタビュイー

日置君(H)

三重県東員町出身
好きな建築:神長官守矢史料館/藤森照信
茅野市にある藤森照信さんの3つのフジモリ茶室「空飛ぶ泥船」「高過庵」「低過庵」はどれも豊かな農地の間にポツンと佇む奇妙さと、そこにマッチした素材感が好きなんですが、それ以上に、それらの程近くにあり同じく藤森照信さん設計の「神長官守矢史料館」のパワーに圧倒されました。「サワラの手割り板」と「土」による外壁がかっこいいのでとりあえず見に行ってください!

日置君よろしくお願いいたします。(篠田:S)

よろしくお願いします(H)

参加動機

日置君は3月の前半2週間ほど県設計に来てくれたけど、参加を希望してくれたきっかけを教えてください(S)

普段の大学での設計課題や卒業設計と実務との乖離に悩んでいたなかで、幅広いジャンルの建築を扱われ、業務の幅の広い県設計さんで実務の視点を経験したいと思い参加させていただきました。(H)

すごく気持ちわかります。。内藤廣さんの赤鬼と青鬼が頭に浮かんだのだけど、夢をみることも現実をしっかり捉えることも、そのどちらも大事で、バランス感覚を養う必要はあるなと思います。いずれにせよ、自分でその意味や意義を創り出していくプロセスは両社変わらず必要だと思うので、自分が作った提案を気合で肯定していく志は大事かなと思います。(S)

活動内容

日置君は先ほど話してくれたように、大学での計画と実務の乖離を痛感されていたと思うので、そのあたりの違和感や葛藤が少しでも晴れて前に進められてたら嬉しいです。どんな業務に携わりましたか?(S)

既存図起こし、敷地模型の作成、即日設計等の業務をさせていただきました。さらには進行中の2つの案件の現場見学をさせていただき、工場スケールの基礎打ちや躯体工事、企業への内装提案まで幅広い業務を見させていただくことができました。(H)

2つの案件を同時にみていただいたことはとても良かったとも思っています。長期的なプロジェクトが多い中で、工場の鉄骨建方と竣工間近の内装検討の現場に立ち会っていただけたことは幸運だったと思います。大学1年生の模型製作業務では、コンタや展開図などを製作の指針付を他の業務と兼ねながら積極的に行っていただきました。(S)

業務を通じて得られたこと

続いて、日置君が業務を通じて得られたことを振り返りもかねて教えてください(S)

インターン期間中に社員の皆さん業務を見ているなかで、クライアントにより成り立つものづくりというものを体感できました。お金を頂いているなかでも、要望を全て聞き入れたからと言って、いいものができるとは限らないです。常に提案していく姿勢、アウトプットしていく姿勢は、今の研究室においても今後社会に出るにあたっても大切にしたいと思いました。(H)

結構大事なことだなと思います。「損して得をとる」ことは、言葉では簡単だけど、目の前の利を度外視することは体力がいることです。僕個人としては弊社の組織としての冗長性の中で、クライアント様に対する提案だったり、このインターンの企画であったり、将来重要になるものにチャレンジできる環境はとてもありがたいなと思っています。(S)

印象に残ったこと

デスクワークが中心だったと思うのだけど、小山さんの印象に残ったことを教えてください(S)

 2週間のインターンの初日に、月初めの全体ミーティングに参加させていただきました。そのミーティングで、櫻井社長の人のつながりを大切にされている姿勢や、スピーチをされた社員さんの建築に対する向き合い方を体感することができ、僕ら学生のうちから醸成されるべきものだなと感じたことが印象に残っています。(H)

そうですね。ぜひ学生のうちから色々と探求してみてください。月に一度の全体ミーティングでは、月替わりの担当が2名ほど5分スピーチをして、その後櫻井社長のほうからもスピーチがあります。弊社の社長はよい建築を創る以前に、人として大事な部分であったり、日置君が言葉にしてくれたように打算的でない周囲との繋がりを大事にされています。抽象度の高いものだけではなくて、設計士の先輩方が具体的に技術力を研鑽されているので、地に足ついて社会活動がなされているのではと思っています。(S)

後輩に一言

来年度以降も松本で学生向けインターンを行おうと思っています。来年度以降、インターン参加を検討してくださる後輩に向けて一言おねがいします!(S)

はじめはできないことばかりです。不向きだと思っても、好きじゃないかもと思っても、やってみて、手を動かしてみて自分なりに頑張ってみることが大事な気がします。とくに1年生でこういったインターンの機会、環境があることは正直すごく羨ましいです。思う存分この環境を生かしてください。(H)

日置君のおっしゃる通りだと思います。結構現状の評価で簡単に諦めてしまう方が多い気がしています。上手くいかなかったときや恥ずかしい思いをした時には、たまたま以前まで経験を積んでいなかっただけで、一生できないのではなく、まだできないんだな。という感覚が大事なような気がしています。結構、才能やセンスがないから諦めろという言葉が横行しがちな建築設計業界ですが、その言葉にはとても懐疑的です。もし諦めそうになった時には、コンサルから教師となり、陸軍士官学校など厳しい環境下で伸びる人々の分析をなされたアンジェラ・リー・ダックワースさんの「Grid」や発達心理学者キャロル・ドゥエック氏の20年間のリサーチから能力や才能が生まれつきなのかを実証している「The power of yet」というタイトルのTEDTalkをみてみると勇気づけられるかもしれません。(S)

インターンプログラムの改善点

さて、本人を目の前にして、言いずらいことかなと思うのですが、、良い面だけ社外に発信するのもむずがゆいので、率直に弊社のインターンでもっとこうあればいいのになあと思うことなど、課題や改善点があれば教えていただけますか(S)

改善点ではありませんが、今回現場を見させていただいて、施主、設計者、施工者の3者の関係を近くで体感できたことがとても良かったです。大学の設計製図では知ることのできない他の視点を学ぶことができる機会はこれからのインターン生にも用意していただけると、充実したものになると思います。(H)

そうですね。ありがとうございます。実際に緊張感あるお仕事の現場で、学生の皆さんをお連れするにはタイミングなどが難しく、やや緊張感があります。幸いにも、弊社はそういった取り組みに寛容なクライアント様とお付き合いさせていただけているので、携わってくださる方々にご迷惑をおかけしない範囲で、今後も継続して取り組んでいきたいです。(S)

今後の展望

短い時間ではありますが、とても濃厚な時間を過ごせたと思っています。本当にお疲れ様でした。今後も機会があれば弊社の業務で携わっていただくこともあるかと思いますが、弊社のインターン経験を経て、日置君が抱いた今後の展望を聞かせていただけますか(S)

今回のインターンで自分が「つくり手」になる覚悟ができた気がします。衰えていく日本社会のなかで、新たな建築の必要性や建築のもつパワーを信じきれていなかったところがこれまでありました。内装の仕上げ材ひとつとってもこだわり尽くす県設計さんを見て、ものとしての潤沢さを求める時代とは違う、豊かな空間づくりができる「つくり手」になろうと思うことができました。(H)

とてもいいですね!人の数やお金が減っていくだけで、すべてがネガティブに働くとは思っていません。むしろ豊かに享受できる環境であったり、以前よりも慎重に吟味したうえで、建築を築いていける、前近代の有機的な建築を取り戻すチャンスだと思っています。まだ京証や発展が重視され、長期間吟味できるほどのプロジェクトは多くはないですが、少しずつクライアント様や社会とともに検討できる機会を増やしていきたいですね。今回インターンに参加いただいて、ありがとうございました!(S)

こちらこそありがとうございました!(H)

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