インターン体験インタビュー vol.8
弊社では大学生向けに有給インターンを行っています。
本稿では、参加していただいた皆さんに、インターンを体験した感想をインタビュー形式で伺いました。インタビュワーである篠田が語りすぎてしまっていますが…今後、弊社でインターンを検討されている学生さんや、インターンプログラムの導入を検討されている建築設計事務所様の参考になれば幸いです。
インタビュイー
小山さん(K)
新潟県上越市出身
好きな建築:①52間の縁側/山﨑健太郎デザインワークショップ
52間の縁側は、千葉県八千代市のデイサービスであるが、地域のさまざまな人の居場所となることを見据えて設計されています。開かれた縁側には幾つかの機能が配され、それぞれの場所で小さな営みが生まれることを手助けするような空間のように感じました。自由設計の際に建築にできることを考えるヒントとなり、私もこんなふうに等身大になって作れるようになりたいと思わせてくれた建築です。
小山さんよろしくお願いいたします。(篠田:S)
よろしくお願いします(K)
参加動機
小山さんは3月の前半2週間ほど県設計に来てくれたけど、参加を希望してくれたきっかけを教えてください(S)
動機としましては、今後の就活を見据えて地域に根付いた設計事務所で一度業務の体験をしてみたいと考えたからです。これまで大学で学んできたことが実際どのように活用する事ができるのか、また組織設計の働き方を知りたいと思いました。(K)
弊社は松本の地で2000件以上携わらせていただいており、歴史が長いです。昨今だと、経年による増改築や耐震改修が多くを占めてきていますが、ローカルならではの一言では言い表せない領域の広さと、業務の幅がある気がしています。(S)
活動内容
小山さんは卒業制作を終えたばかりで、建築熱がとても高い印象を受けました。業務の中で僕自身も刺激を受けたのですが、どんな業務に携わりましたか?(S)
ホテルの改修計画のための既存図起こし、周辺模型の作成、事例収集、即日設計に携わらせていただきました。また、活動期間中に実際に現場に連れてっていただき、会議にも同席させていただきました。(K)
デスクワークで疲労困憊の際に、上司の計らいで、一緒に現場へ行った時には建築・空間の面白さに浸って、リフレッシュされてましたね。僕も入社して、現場が始まってから、実際に立つ現場の温度感が沁みて、スイッチが入ったような気がしています。(S)
業務を通じて得られたこと
続いて、小山さんが業務を通じて得られたことを振り返りもかねて教えてください(S)
業務を通じて実際どのように現場が動いていくのかを知ることができたと思っています。授業でおおまかな流れ等は学習済みでしたが、クライアントに対してどのような思いで業務を行っているのか、なぜこのような手順で進めていくのかなど授業では知ることのなかったことを体験させていただきました。また業務全体を通して、これから社会に出ていくために自分が知識不足であるかも再確認できました。(K)
先に見ておくことで、自分の足りない点を知ることはインターンの醍醐味だと思います。実務だと、社会情勢や様々な方の意向を大切にする中で、何を頼りに設計を進めていいのか困惑してしまうことがあったりします。その中で、頼りになるのは、工学的な知識や設計課題などで養ったリサーチや想像力だなと思っています。大学生のうちにしか培えない長い射程をしっかり励んでもらえたら嬉しいです。(S)
印象に残ったこと
デスクワークが中心だったと思うのだけど、小山さんの印象に残ったことを教えてください(S)
毎日のお茶の時間がとても印象的で今後も続いて欲しいと思いました。業務中はあまり話すことのない社員の皆さんと他愛ないお話をすることができよかったです。ちょうど疲れた頃に、内線で中村さんから「お茶です。」と声がかかるのが密かな楽しみでした。(K)
お茶の時間ね!(弊社では15:30頃に30分程度お茶とお菓子をいただきながら、談笑するお茶の時間があります)楽しんでいただけて何よりです。休憩も同じ時を共にするのは、もしかすると今時ではないのかもしれないのだけど、弊社は個々人の業務が多く、なかなか交流する場がないなかで、お茶の時間があるおかげで、息抜きや相談事が円滑にできたりするので、確かに素敵な慣習だなと思います。(S)
後輩に一言
来年度以降も松本で学生向けインターンを行おうと思っています。来年度以降、インターン参加を検討してくださる後輩に向けて一言おねがいします!(S)
学校以外で誰かと関わることは、時に勉強よりもさまざまな知恵や体験が得られる事があると感じています。そのような機会があれば、自分から飛び込んでみるとより充実した4年間になるのではないかと思います。頑張ってください。(K)
外部とのかかわりを積極的に築かれていたも小山さんならではのアドバイスですね。ありがとうございます。僕も同感です。何気なくかかわっている人でも、実は奥深い何かを持っているのではないか、と身近な方の深い部分に飛び込んでみることも同様に重要だなと思います。(S)
インターンプログラムの改善点
さて、本人を目の前にして、言いずらいことかなと思うのですが、、良い面だけ社外に発信するのもむずがゆいので、率直に弊社のインターンでもっとこうあればいいのになあと思うことなど、課題や改善点があれば教えていただけますか(S)
業務・休憩中もサポートしていただき充実した2週間となりました。一点挙げるとすれば、時間が限られているインターンの場合は、参加者の技量を考慮しつつ予定を立てていただけると助かります。(K)
今回きていただいた2人にはちょっと多様な業務を散漫に振りすぎたな..と反省しています。ごめんなさい。ただ、有給インターンなので、みなさんができることだけを段取りし行っていただくことに、あまり価値を見出していないのは正直あります。見学や体験で終わるのではなく、僕や弊社が責任のとれる範囲で、なにかみなさんの成長につながる負荷のある業務に取り組んで葛藤する機会は今後とも続けていきたいなと思います。(S)
今後の展望
短い時間ではありますが、とても濃厚な時間を過ごせたと思っています。本当にお疲れ様でした。今後も機会があれば弊社の業務で携わっていただくこともあるかと思いますが、弊社のインターン経験を経て、小山さんが抱いた今後の展望を聞かせていただけますか(S)
今回のインターンを経て様々な人と関わり刺激をもらったと感じています。建築を作る人となるためにも、これからも知識と経験を増やしていきたいと強く思っています。また、普段大学で会うことのない1年生の皆さんと一緒に活動し、フレッシュでエネルギッシュな気持ちも思い出させてもらいました。そんな気持ちを忘れず、残りの学生生活を過ごしたいです。(K)
そうですね。小山さんは卒業制作を経て、指針は見えつつあるのかなと思っています。今直面している課題が実は大局では重要なことではないこともしばしばあると思うので、目の前のことに精一杯取り組むだけでなく、俯瞰して自分の進みたい方角を見失わずに楽しんでもらえたら嬉しいです。東京への引っ越しなどバタついている中、参加してくださりありがとうございました!(S)
こちらこそありがとうございました!(K)