インターン体験インタビュー vol.12

弊社では大学生向けに有給インターンを行っています。
本稿では、参加していただいた皆さんに、インターンを体験した感想をインタビュー形式で伺いました。インタビュワーである篠田が語りすぎてしまっていますが…今後、弊社でインターンを検討されている学生さんや、インターンプログラムの導入を検討されている建築設計事務所様の参考になれば幸いです。
インタビュイー

瀨川さん(SG)
群馬県前橋市出身
好きな建築:上州富岡駅/武井誠+鍋島千恵/TNA
上州富岡駅は富岡製糸場の玄関口となる駅舎であり、この建築は私が建築学科を選択するきっかけとなった建築です。初めてこの建築を目にしたとき、直観的に感動したことを覚えています。今でも明確な理由は説明できませんが、世界遺産を訪れる観光客を迎え入れるのにふさわしいデザインでありながら、まちに合ったスケールや開放感が気に入ったのかもしれません。
瀨川さんよろしくお願いいたします。(篠田:S)
よろしくお願いします(SG)
参加動機
瀨川さんは10月の終わりから2月末の約4か月間県設計に来てくれたけど、参加を希望してくれたきっかけを教えてください(S)
もともと建築に関わる経験を積みたいと考えており、建築関連のアルバイトにも興味を持っていました。しかし、松本は立地的に良くも悪くも閉鎖的で、建築を学ぶ機会が限られていると感じていました。だからこそ、自分が興味を持ったことは積極的に経験しておくべきだと思い、このインターンに応募しました。(SG)
松本には様々な年代に建てられた建築があるので、実際に見て学ぶことは可能ですが、おっしゃる通り、なかなか実務に触れる機会が少ない側面があります。瀨川さんは他にも様々な地域活動にも積極的に携わる姿勢がある大変意欲的な印象をうけてました。実際に建物を沢山見に行ってほしいですが、国・県・市指定文化財や、景観賞、長野県建築文化賞、JIA長野建築賞、信州の木建築賞などの受賞作や、建築探訪マップというアプリを使って色々散策してみることがおすすめです。(S)
活動内容
県設計では有給インターンにこだわっており、大学1年生にも携わっていただける業務の範囲で実際に設計業務の一端を担っていただいております。学術的な建築を学ぶとも、実際の設計事務所の業務とも、若干属性の異なる内容でしたが、どんな業務に携わりましたか?(S)
インターンでは、建築設計の実務に関わるさまざまな業務を経験しました。具体的には、図面のコピーを行ったり、AutoCADを用いて既存図のデータ化を担当したりしました。また、Rhinocerosを使用してモデリングを構築し、Illustratorでは建築プレゼンテーションに用いる人の添景の作成を行いました。(SG)
なれない作業が多かったと思いますが、めげずに取り組んでいただいたおかげで、最後に行ったプロポの補助業務では、とても頼もしかったです。(S)

業務を通じて得られたこと
続いて、瀨川さんが業務を通じて得られたことを振り返りもかねて教えてください(S)
インターンを通じて、設計ソフトの基本的な操作方法を学びました。特に痛感したのは、作業の効率化や正確性の重要性です。手描きの設計とは異なり、デジタルでは常に論理的に考えながら作業を進める必要がありました。また、細かい設定やコマンドを活用することで作業スピードが向上することを実感しました。(SG)
学生生活を送っていると2年生の後半ころから、純粋に建築に取り組んでいる時間量ももちろんですが、PCのスペックやソフトの習熟度で、大きな実力の差が開いていきます。手書きもですが、日々の習慣がとても大事なので、今回学んだものを引き続き持続的な方法で続けていってほしいなと思っています。(S)
印象に残ったこと
デスクワークが中心だったと思うのだけど、瀨川さんの印象に残ったことを教えてください(S)
インターンの業務終了後には、建築に関するさまざまなテーマについて話す機会があり、特に印象に残りました。話を通じて、建築の見方や建築に対する姿勢と学び方について多くの気づきを得ることができました。特に学んだことは、建築の知識だけでなく、建築以外の分野にも関心を持ち、幅広い知識を蓄えることの重要性です。また、世の中の潮流を的確に読み取りながら、自分のいる環境でできることを最大限に生かし、柔軟な視点を持って建築と向き合う姿勢が大切だと実感しました。業務外のこうした会話が、建築に対する考え方を深める貴重な機会となりました。(SG)
瀨川さんがある業務後に、何か宿題(トークテーマ)をください。と言ってくれたのがとても印象的でした。幅広い知識をつけてほしいというおもいから、「建築家100人を調べてみて、自分の好きな建築を分析する」といったテーマを提示した際には、3名ともしっかりと調べて自身の好きな建築を分析していましたね。実際に訪れてみないと建築は語りえない部分も多分にありますが、アンテナは広く持っておくと後々設計にも活きると思います。(S)

後輩に一言
来年度はお休みしますが、今後も松本で学生向けインターンを行おうと思っています。来年度以降、インターン参加を検討してくださる後輩に向けて一言おねがいします!(S)
インターンを通して得られるものは、単なる実務経験だけではありません。実際に建築の仕事に携わっている方々と接することで、設計やものづくりに対する多様な考え方や姿勢を学ぶことができます。業務をこなすだけでなく対話を重ねることで、より深い学びにつながるはずです。ぜひ、限られた時間の中で多くのことを吸収し、自分の視野を広げてください。(SG)
ありがとうございます。業務だとどうしても学べることが限定的になってしまうので、少し広くとらえてもらって、接点をうまく活かしてもらえると嬉しいです。(S)
インターンプログラムの改善点
さて、本人を目の前にして、言いづらいことかなと思うのですが、、良い面だけ社外に発信するのもむずがゆいので、率直に弊社のインターンでもっとこうあればいいのになあと思うことなど、課題や改善点があれば教えていただけますか(S)
インターンに応募した当初の期待を大きく超える、充実した経験を得ることができました。業務内容だけでなく、建築に対する考え方や学び方についても深く考える機会があり、非常に満足度の高いプログラムでした。 改善点を挙げるのも申し訳ないほどですが、しいて言えば、一度だけインターンが急遽中止になったことがあり、その際にもう少し早めに連絡をいただけるとスケジュール調整がしやすかったかもしれません。それ以外はとても良い環境で学ぶことができ、本当に感謝しています。(SG)
その節は申し訳ありませんでした、、僕自身の体調不良で、、接触を避けたい意図がありましたが、他の社員でも対応できたり、別途オンラインなどで業務を遂行するなど、調整しやすい環境は会社としての整備を進めていきます。(S)
今後の展望
短い期間ではありましたが、とても濃厚な時間を過ごせたと思っています。本当にお疲れ様でした。今後も機会があれば弊社の業務で携わっていただくこともあるかと思いますが、弊社のインターン経験を経て瀨川さんが抱いた今後の展望を聞かせていただけますか(S)
今回のインターンを通じて、信州での建築の学び方について少し理解が深まったように感じます。実務を体験することで、建築に対する視点が広がり、今後の学びに対する意欲もさらに高まりました。この経験を生かし、2年生からも積極的に学び、設計や建築の知識をより深めていきたいと考えています。インターンで得た学びを実践に活かしながら、自分なりに建築のあり方を模索し、成長していけるよう努力していきたいです。(SG)
建築はとても幅広いので、プライベートを大切にしたり、課題などを誠実に取り組んでいくと、どうしても純粋に時間が足りなくなってしまい、思うように自分独自の学びを深める機会が少なくなることが往々にしてあります。丁寧さを大事にしながらも、早く走れるようになること。を意識して学生生活を送ってもらえると、量質転化していくと思います。赤鬼と青鬼という、内藤廣さんの脳内分類が、何かのヒントになりそうなので最後にシェアします。双方の視点を大切にしながら、設計頑張ってください。ありがとうございました!(S)
こちらこそありがとうございました!(SJ)
