インターン体験インタビュー vol.5
弊社では大学1年生向けに有給インターンを行っています。
本稿では、参加いただいた皆さんに感想をインタビュー形式で伺いました。インタビュワーである篠田が語りすぎてしまっていますが…今後、弊社でインターンを検討されている学生さんや、インターンプログラムの導入を検討されている建築設計事務所様のご参考になれば幸いです。
インタビュイー
大崎さん(O)
愛知県大府市出身
好きな建築:おおぶ文化交流の杜/佐藤総合計画
私が建築に興味を持ったきっかけとなった建築で、旧市営図書館の老朽化に伴い建てられた総合文化施設です。この施設が建ってから、名古屋市のベッドタウンに過ぎなかった街に活気が生まれたのを肌で感じました。施設内で開催される市営イベントなどをきっかけに市民と市の距離が縮まったように感じて、建築が地域の活性化につながることを知りました。明るく、人との交わりを感じつつ心穏やかに過ごせる空間ではありますが、私は意匠の面で魅力を感じているというよりも、建築物が社会に与える影響力の大きさを教えてくれたという理由でこの建築が好きです。
大崎さんよろしくお願いします。(S:篠田)
よろしくお願いします(O)
参加動機
大崎さんは昨年の10月から県設計に来てくれるようになったけど、参加を希望してくれたきっかけを教えてください。(S)
自分の興味のあることを見つけるためです。建築学生の将来の選択肢は建築家だけではありません。家具のデザインから街づくり、さらには広告代理店まで、様々なフィールドで先輩方は建築の知識を生かして働いています。私は建築そのものには興味があったものの、具体的に何がしたいのかまでは見つけられていませんでした。実務を通して、大学とは少し異なった視点で建築と向き合っていくなかで、自分の究めたいものを見つけたいと思い、参加させていただきました。(O)
そこまで視野広く見られているのは、率直に素晴らしいと思います。弊社は規模も用途も総合的に設計に取り組んでいるため、様々な業種を伺うにちょうど良かったと思います。僕らの業種は自ずとリベラルアーツ領域を学び、他業種でも活きるようなノウハウを学べるので、一度深く踏み入れてみるといいと思います。(S)
活動内容
大崎さんは激務の部活動のマネージャーを務めながら、参加してくださいました。ハードワークにも屈しない、バイタリティが印象的でした。どのような業務を取り組みましたか?(S)
既存図起こしやモデリングソフトワークショップのお手伝い、県設計の過去の業務内容のデータ整理、ゴルフ場女子更衣室の改修案の提案などをさせていただきました。女子更衣室改修の提案では、スタディからプレゼン資料の作成、クライアントさんへのプレゼンテーションまでの一連の業務を経験させていただきました。(O)
スタディからプレゼンまで、設計士の花形業務を体験していただけたことがとてもよかったです。一筋縄ではいかない、削り出しのような作業なんだと、時間がいくらあっても足りないんだなと、身をもって体感していただけたかなと思います。(S)
業務を通じて得られたこと
続いて、大崎さんが業務を通じて得られたことを振り返りもかねて教えてください(S)
Auto CADなどのソフトを実務を通して学べたことは非常によい経験となりました。また、更衣室改修の提案では、設計というものを初めて経験し、空間を作る面白さや自分の思いを人に伝える難しさを感じました。さらに、これらの業務を通して社員の方や同級生の意見を聞くことができたことは、建築学生として過ごすにあたって自分にとって大きな刺激となりました。(O)
空間を創る面白さと、伝える難しさを感じていただけてとても嬉しいです。建築学科の友人や建築以外の領域で活躍されている地元の友人、部活動の仲間、家族とのコミュニケーションの中で、少しずつ建築や空間に関わる話や異分野に対する興味を広げていってもらえたら嬉しいです。どんな話題でも建築につながるほど、建築は懐が深いと思っています。(S)
印象に残った体験
慣れないデスクワークが中心だったと思うのだけど、大崎さんの印象に残ったことを教えてください。(S)
ゴルフ場更衣室改修案の提案は、私生活を含め最も時間を割いた業務で強く印象に残っています。学部1年生でこのような経験を得られたことは非常に恵まれていることだと思います。私は、この業務を通して暮らしている環境について自分がどれほど無頓着であったかを痛感しました。洗面台の高さも、人がすれ違うのに必要な幅も、実際に測ってみないとわかりませんでした。設計をする中で、全ての寸法に意味を持たせるよう指摘を受けたことがありましたが、それを実現するには今まで以上に身の回りの寸法や素材に敏感にならなくてはならないと思いました。(O)
積極的に取り組んでいただけたおかげで得られたこともとても大きかったんじゃないかなと思います。寸法に関しては、僕も偉そうに言える立場じゃないというか、全然寸法感覚を養えてなくて、上司に日々指導していただいています。だんだん反射的にわかってきた寸法もあり、小さなディテールの検討が楽しいです。大崎さんは、大学の課題などで、これからもっとたくさんの情報を整理することになると思います。自分なりの空間を築き上げていってほしいです。見るものが多すぎて困惑する日々になるとは思うけど、自分が深堀したいことや小さなところから少しずつ積み上げていってほしいなと思います。(S)
⑤後輩に一言(これからインターンに来る方に向けてひとこと)
来年度も松本で学生向けインターンを行おうと思っています。来年度以降、インターン参加を検討してくださる後輩に向けて一言お願いします!(S)
とりあえずやってみる、という姿勢が大切だと思います。特に、モデリングソフトは習うより慣れよです。最初は1歩進むだけでも苦労すると思いますが、わからないなりにも触っていれば必ずできるようになっていきます。私自身、他の6人に比べれば決して飲み込みが早いほうではなく要領もいいとは言えませんが、周りにたくさん助けてもらいながらできるようになっていきました。
あと、県設計で学んだことは、是非友達などにどんどん共有してください。(O)
大崎さんも十分要領よいと思っていましたよ..(笑)一概に比較はできないけど、なんとなく適当に業務を進めるわけではなくて、しっかり咀嚼し周囲にも得られた知見を話したりしていた様子が印象的でした。とりあえずやってみる。習うより慣れよはまさにおっしゃる通りだと思います。最初は、質より量。「上手くやろうとしてできなかった失敗をどれだけしたか」がなによりも重要かなと僕は思います。(S)
インターンプログラムの改善点
さて、本人を目の前にして、言いずらいことかなと思うのですが、、良い面だけ社外に発信するのもむずがゆいので、率直に弊社おインターンでもっとこうあればいいのになあと思うことなど、課題や改善点があれば教えていただけますか(S)
今年度は主に私たち学部1年生のみのインターンでしたが、来年度以降は2学年がインターンに参加することになります。具体的な案がなくて申し訳ないのですが、1年生と2年生が共同で取り組めるような業務があるとよいと思います。(O)
なるほど!提案ありがとうございます。うーん,,2年生以降は長野市に行ってしまうのでリモートワークがメインになってしまうよね。リモートと直接でうまく共同で取り組める業務か,,,少し時間が取れる業務であれば、モデリングやパース、デザインリサーチは教えあいながらみんなで共同して進められるかもしれないね。歩合制で、うまく分配できる方策が見いだせたらやってみたいですね!前向きに検討します。ありがとうございます!(S)
今後の展望
短い時間ではありますが、とても濃厚な時間を過ごせたと思っています。本当にお疲れ様でした。今後も機会があれば弊社の業務で携わっていただくこともあるかと思いますが、弊社のインターン経験を経て、大崎さんが抱いた今後の展望を聞かせていただけますか(S)
自分の考えや感じたことを人に伝える力を磨きたいです。インターンでは、様々な物を見たり周りと意見交換したりする場面が多くありました。初めは自分の意見をまとめるだけでもやっとでしたが、それができるようになってくると、今度はそれを的確な語彙で瞬時に表現できないという壁にぶつかりました。伝える力、プレゼン力とも言い換えられますが、この力を身につけるにはとにかく場数を踏んでいくしかないと思います。自分の意見を積極的に相手に伝える、そして相手の意見も聞きそこから吸収する。アウトプットを意識して、大学生活を送っていきたいです。(O)
とてもいいですね。。宮脇檀さんの「眼を養い手を練れ」という本がおすすめです。その葛藤を大事にして、大崎さんだからこその感性を大切に、これからも沢山壁を乗り越えていってください!ありがとうございました。(S)
こちらこそありがとうございました!(O)